動画広告の基礎知識!種類や料金の仕組み、効果を高める作り方を解説
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※2024年8月期_指定領域における市場調査 調査機関:日本マーケティングリサーチ機構

- 「動画広告にはどんな種類があるの?」
- 「動画広告の作り方が知りたい!」
- 「動画広告の市場規模はどれくらいあるんだろう」
自社のブランディングや販売促進のために動画広告を検討し始めたものの、社内にノウハウがなくお悩みのマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。
動画広告とは、静止画やテキスト広告ではなく動画を配信する広告で、視聴者の印象に残りやすいのが特徴です。外部環境の変化により、動画広告市場は急拡大しており、注目度の高いマーケティング施策の1つと言えるでしょう。視覚と聴覚で訴えることができるため、視聴者の印象に残りやすく、ブランディングの手法としても非常に有効です。
この記事では動画広告の基本から制作、効果検証の考え方について解説します。動画広告の種類や媒体ごとの違いについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 動画広告とは
動画広告とは、静止画やテキスト広告ではなく動画を配信する広告で、静止画やテキストよりも伝えられる情報量が多いのが特徴です。
YouTubeをはじめとする動画サイトや、TikTokやTwitterなどのSNS、さらには電車やタクシー、エレベーター内のデジタルサイネージなどでも配信されています。近年ではスマートフォンの普及により動画コンテンツの需要が急拡大しており、主にWeb上のものを指して「動画広告」というケースが増えています。
今回の記事でも、Web上における動画広告を中心に解説していきます。
動画広告を理解するには、まずWeb広告全体の仕組みや種類を把握しておくことが重要です。Web広告には検索広告やディスプレイ広告、SNS広告など複数の形式があり、その中のひとつとして動画広告があります。Web広告の基礎については、以下の記事をご覧ください。
⇒ Web広告とは?種類や仕組み、選び方のポイントを徹底解説
2. 動画広告の市場が拡大している背景
動画広告の市場は急成長しており、今後もさらなる伸びが期待されています。株式会社サイバーエージェントの調査によると、2025年の動画広告市場規模は8,855億円、昨年対比122%と大きく伸長しています。さらに、2029年には1兆6,336億円を超える市場規模になる見通しです。

動画広告の市場拡大の背景としては、以下の3つが大きな理由となっています。
- スマートフォンの普及
- Wi-Fi環境の充実
- 動画コンテンツの充足
いつでもどこでも動画を視聴できる環境整備が進み、さらにコロナ禍で幅広い世代のユーザーが可処分時間にスマートフォンで動画を楽しむことが一般的になったと言えるでしょう。こうした環境の変化に対応して広告主が動画広告を活用し始め、動画広告市場も拡大しているのです。
3. 動画広告を利用するメリット
動画広告のメリットは主に下記の4点が挙げられます。
- 視覚・聴覚で多くの情報を伝えられる
- 視聴者の印象に残りやすい
- SNSで拡散されやすい
- 効果検証を行いやすい
次章から一つずつ解説していきますが、大きな特徴として、広くイメージを伝えられるテレビCMのような特性と、PDCAを回すWeb広告の特性を持っている広告と言えるでしょう。
3-1. 視覚・聴覚で多くの情報を伝えられる
動画広告は視覚と聴覚に訴えることができるため、短時間で多くの情報を伝えることができます。
静止画やテキストだけでは伝えにくい具体的な使用シーンも描写できるため、製品の利用方法やサービスの魅力などを伝えることにも優れています。
ただし、電車の中など音声が出せないシーンで広告を見るユーザーも多いという点は注意しましょう。聴覚に訴えつつも、視覚だけでも理解しやすいクリエイティブを作成することで、動画広告の効果を高めることができます。
3-2. 視聴者の印象に残りやすい
動画広告の魅力の一つに、視聴者の印象に残りやすいという点があります。
動画広告は、ストーリーに沿って訴求を行うことができるため、視聴者にインパクトを与えやすく、視聴者の記憶に残りやすい特性があります。映像と音声を上手く活用することで、視聴者の感情に訴えかけることが可能になるのです。
スタンフォード大学の調査によると、事実だけを伝えるよりもストーリーとして伝えた方が説得力が高まり、最大で22倍も記憶に残りやすいという結果が出ています。また、実際にバナー広告と動画広告を比較した調査では、広告閲覧後の想起や訴求内容の理解に有効だということも示されています。
※参照元:Harnessing the Power of Stories(Stanford University)
※参照元:iPhone向け動画広告効果調査(株式会社電通)
こうした特徴から、企業・製品の認知度やイメージを向上させるブランディングとしても、動画広告は有効な施策とも言えます。
3-3. SNSで拡散されやすい
動画広告はSNSで拡散されやすい広告と言えます。
動画広告はバナー広告やテキスト広告よりも視聴者の興味を引きつけやすいうえに、視聴者にとって魅力的な内容であれば、視聴者は「いいね」や「シェア」などワンクリックで簡単に共有することができます。
拡散されることでより多くの人に届けられるため、リーチを伸ばしたい場合は拡散されやすいクリエイティブ(共感を呼ぶ・コメントしたくなる など)を意識すると良いでしょう。
3-4. 効果検証を行いやすい
動画広告は、Web広告の特性から効果検証が行いやすい広告です。
例えば、動画内のリンクはクリックされているか、動画は何回再生されているか、どこまで視聴されているかなど、様々な指標で効果検証を行うことができます。
動画自体のクオリティや訴求軸、配信ターゲットなどから、動画を視聴したユーザーに「アクションを促せているか」を効果検証時は確認すると良いでしょう。広告は配信して終わりではなく、その後の成果に繋げてこそ意味があります。しっかりとPDCAを回すためにも、効果検証を行うことが非常に重要といえます。
4. 動画広告の種類
動画広告には大きく分けて下記の2種類があります。
- インストリーム広告
- アウトストリーム広告
これらは動画を再生している時に配信されるのか、それ以外の体験をしている時に配信されるのかの違いがあります。
順に詳しく解説します。
4-1. インストリーム広告
インストリーム広告とは、ユーザーが動画サイトなどで動画を見ているとき、その再生画面内で表示される広告を指します。
YouTubeの動画再生前や再生途中に流れる広告をイメージしていただければと思います。
広告を途中でスキップできる場合とできない場合がありますが、動画を見たい時に必ず目にする仕様のため、しっかりとメッセージをユーザーに届けたいときに効果的です。
4-2. アウトストリーム広告
アウトストリーム広告とは、Webサイトのバナー枠やアプリのフィードなどに表示される広告を指します。
動画サイトだけでなく複数のメディアに配信できるため、リーチが広いことがメリットとなります。ただし、ユーザーは動画を見るモチベーションではないため、見てもらうための工夫が必要です。
アウトストリーム広告には、主に「インバナー広告」「インリード広告」「インターステイシャル広告」の3種類があります。順に見ていきましょう。
インバナー広告
インバナー広告とは、Webサイトなどのバナー広告枠に配信される動画広告です。例えばYahoo!のトップ画面右上のディスプレイ広告枠などに表示され、「インディスプレイ広告」と呼ばれることもあります。
「ターゲットユーザーが特定のメディアに多く来訪している」などの仮説がある場合や、動画サイトに来ないようなユーザーへ配信を行いたい場合に効果を発揮します。
インリード広告
インリード広告とは、メディアにあるコンテンツとコンテンツの間に挟まった形で表示される広告です。例えばSNSでタイムラインを見ている最中、投稿と投稿の間に入っている動画広告などがインリード広告に当たります。
ユーザーがスクロールしている最中、広告が表示された時に動画が再生される仕組みになっています。他のコンテンツと同じ枠内に出てくるため、広告と気付かずに自然と目に留まりやすいのが特徴です。
インターステイシャル広告
インターステイシャル広告とは、Webページを遷移するタイミングで、次のページが表示される前にポップアップなどの形式で表示される広告です。
次のページに進む前に必ず目に留まる仕様になっているので、ユーザーの印象に残りやすい点がメリットです。一方で、Googleはユーザビリティを損ねるとの見解も出しており、スキップ可能にするなどユーザーにストレスを与えない工夫が重要といえます。
5. 動画広告の料金の仕組み
動画広告の費用は、広告がどのように視聴・表示・クリックされたかによって計算方法が異なります。主に利用されている料金形態は「CPV課金」「CPC課金」「CPM課金」の3種類です。
広告の目的や配信媒体によって適した課金方式が変わるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
| 料金形態 | 課金の基準 | 特徴 |
|---|---|---|
|
CPV課金 |
動画が一定時間以上視聴された回数 |
動画広告でよく使われる課金方式。実際に視聴された場合のみ費用が発生する |
|
CPC課金 |
広告がクリックされた回数 |
サイト誘導などを目的とした広告で使われる。クリックが発生したときだけ費用が発生する |
|
CPM課金 |
広告が表示された回数(1,000回単位) |
表示回数に応じて課金されるため、認知拡大を目的とする広告で利用される |
5-1. CPV(Cost Per View)課金形式
CPV課金は、動画広告が一定時間以上視聴された回数に応じて費用が発生する仕組みです。動画広告では代表的な課金方式の1つで、実際にユーザーが広告を視聴した場合のみ広告費が発生します。
視聴としてカウントされる条件は媒体ごとに異なりますが、例えば動画広告の視聴単価が1回あたり5円(CPV)だった場合、動画が10,000回視聴されると広告費は次のように計算されます。
5円(CPV) × 10,000回 = 50,000円
また、動画広告の中にはスキップ可能な形式もあり、ユーザーが途中でスキップした場合は視聴としてカウントされず、課金対象にならないケースもあります。そのため、無駄な広告費が発生しにくい点が特徴です。
5-2. CPC(Cost Per Click)課金形式
CPC課金は、動画広告がクリックされた回数に応じて費用が発生する方式です。広告をクリックしてサイトやLPへ遷移したときに費用が発生するため、集客やコンバージョン(商品の購入やお問い合わせなど)を目的とする広告で利用されることが多くなっています。
例えば、クリック単価(CPC)が100円の動画広告を配信し、広告が50回クリックされた場合の広告費は次のようになります。
100円(CPC)×50クリック = 5,000円
動画広告が10,000回表示されていたとしても、クリックが発生しなければ費用は発生しません。そのため、広告経由の集客数を把握しやすい課金方式といえます。
5-3. CPM(Cost Per Mille)課金形式
CPM課金は、広告が表示された回数に応じて費用が発生する仕組みです。1,000回の表示(インプレッション)ごとに料金が設定されているのが特徴です。
例えば、1,000回表示あたりの単価が3,000円の動画広告を配信し、広告が10,000回表示された場合、広告費は次のように計算されます。
3,000円(CPM) × (10,000回 ÷ 1,000回) = 30,000円
CPM課金はクリックや視聴ではなく表示回数が基準となるため、多くのユーザーに広告を届けたい場合やブランド認知を高めたい場合に利用されることが多い課金方式です。
6. 動画広告を配信している主な媒体一覧
動画広告はYouTubeだけでなく、SNSや動画配信サービス、アドネットワークなどさまざまな媒体で配信できます。媒体ごとに利用しているユーザーの年代や利用目的が異なるため、広告効果を高めるためには商材と相性のよい媒体を選ぶことが重要です。
主な媒体の特徴と配信できる広告形式を以下の表にまとめました。
| 媒体 | 主なユーザー層 | 主な動画広告の種類 |
|---|---|---|
|
YouTube |
幅広い年代のユーザー。国内でも利用者が多く、家族や友人と視聴されるケースも多い |
インストリーム広告、インフィード動画広告、バンパー広告 |
|
ニコニコ動画 |
20〜30代が中心。ゲーム・音楽・アニメなどのコンテンツを好むユーザーが多い |
再生前後に表示される動画広告、コンテンツ連動型動画広告 |
|
TikTok |
10〜20代の若年層が中心だったが、30代~40代にも利用者が拡大している |
インフィード動画広告、ブランド広告、ハッシュタグ連動広告 |
|
X(旧Twitter) |
幅広い年代が利用。拡散性が高く、情報共有を目的としたユーザーが多い |
プロモビデオ広告、インストリーム動画広告 |
|
|
30〜40代のビジネスパーソンが多い。実名登録をベースとしたSNS |
フィード動画広告、ストーリーズ動画広告 |
|
|
20〜40代中心。ビジュアルコンテンツへの関心が高いユーザーが多い |
フィード動画広告、ストーリーズ広告、リール広告 |
|
アドネットワーク(GDN・YDA) |
ニュースサイトやブログなど幅広いサイト利用者 |
ディスプレイ動画広告、インストリーム動画広告 |
|
LINE |
幅広い年代。日常的に利用されるコミュニケーションアプリ |
LINE VOOM動画広告 |
|
コネクテッドTV(CTV) |
テレビで動画配信サービスを視聴する家庭ユーザー |
動画配信サービス内のインストリーム広告 |
6-1. YouTube
YouTubeの最大の特徴は、動画配信サイトの中で最も多くのユーザーが使っていることです。
Googleによると2024年 5月時点では、18歳以上の月間ユーザー数は 7,370万人以上に達しています(※)。さらに一人だけで視聴するのではなく家族やパートナーなどと視聴するシーンも多いことから、実際にはさらに多くのユーザーとの接点を持てる媒体と言えるでしょう。
※参照元:好きと出会える YouTube は、深掘り、行動につながる場所へ —— ショート動画とテレビ視聴が成長を牽引
動画の再生前、再生中に差し込まれる形のインストリーム広告の配信が可能で、ユーザーの目に自然に入るように広告を配信できます。
またGoogle広告から直接配信できることも優れたポイントとなっています。
6-2. ニコニコ動画
ニコニコ動画は、約304万のDAU(Daily Active Users|1日あたりのアクティブユーザー数)がある動画投稿メディアです。
ゲームや音楽関連のコンテンツが豊富で、ユーザーの6割を20代〜30代が占めています。
インプレッション課金型で動画の再生前・再生後に配信できる「ビデオADプラン」と、固定料金型でニコニコ動画内のアニメ作品の再生前・再生中・再生後に配信できる「プレミアム動画広告」があります。
6-3. TikTok
TikTokの大きな特徴は、縦型のショート動画をスワイプしながら次々と視聴していく、没入感の高さです。TikTok Japanの公式発表によると、現在国内の月間アクティブユーザー数(MAU)は4,200万人を突破しており、日本人の約3人に1人が利用する巨大プラットフォームへと成長しています(※1)。
かつては10代〜20代の若年層や女性が中心というイメージがありましたが、現在は利用層が大きく拡大しています。総務省の最新調査でも、30代の約32%、40代〜50代でも25%以上が利用していることが示されています (※2)。
※1 参照元:TikTok、日本の月間アクティブユーザー数が4,200万を突破!(TikTok Japan 公式ニュースルーム / 2025年11月発表)
※2 参照元:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(総務省 / 2024年6月発表)
6-4. X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は「リポスト(旧リツイート)」と呼ばれる、他人の投稿を自分のタイムラインに再投稿する機能があることから、拡散性に優れたメディアです。
ユーザーが共有したくなるようなコンテンツであれば拡散や二次拡散を期待できるため、幅広いリーチの獲得を狙うのに適したメディアと言えます。
広告の種類は、タイムラインに配信される「動画広告(旧プロモビデオ)」や、コンテンツパートナーとして締結している企業の動画コンテンツの冒頭に配信される「インストリーム動画広告(Amplify)」などがあります。
6-5. Facebook
Facebookは精度の高いターゲティングが可能であることが特徴の媒体です。
主に30代〜40代のビジネスパーソンが利用しており、ユーザーの興味関心や年代、ライフステージで配信ターゲットを調整することができます。
また、簡単な動画はMeta広告マネージャ上からも作成できるため、動画素材が足りない場合は利用してみるのも良いでしょう。
6-6. Instagram
Instagramの利用率は若干女性の方が多いものの、男性も多く利用しています。利用者の年代層も幅広く、多くのターゲットが利用しているメディアと言えます。
広告配信はMeta広告マネージャから行うことができ、広告配信面をInstagramのみに設定することも可能です。
フィードやストーリーズ、リールなど様々な配信形式があり、いずれもクリエイティブが重視される傾向にあります。
6-7. アドネットワーク(GDN・YDA)
Webサイトに動画広告を配信する際には、主にGoogleやYahoo!のアドネットワークを活用することになります。
アドネットワークとは、提携しているサイトの広告枠に配信を行うシステムで、GDN(Google ディスプレイネットワーク)であればGoogleと提携しているサイト、YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)であればYahoo!と提携しているサイトに配信を行うことができます。
GDNやYDAなどのアドネットワーク広告を運用する際は、広告の表示回数やクリック数、コンバージョンなどのデータをもとに効果を測定することが重要です。Google広告の成果測定の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
⇒ Google広告の効果測定方法とは?必須指標と計測精度を高めるポイントを解説!
6-8. LINE
LINEは月間利用者数が9,800万人以上(※)にのぼる、インフラとも言えるコミュニケーションアプリで、幅広い年代のユーザーが日常的に利用しています。メッセージアプリとしての利用が中心ですが、ニュースや動画コンテンツ、LINE VOOM機能などもあり、多くのユーザーと接点を持てる媒体です。
動画広告はLINE VOOMに配信され、ユーザーのフィードに自然に表示される形式が一般的です。日常的にアプリを利用するユーザーが多いため、認知拡大や幅広い層へのリーチを目的とした広告配信に適しています。
※ 参照元:LINEヤフー株式会社 公式媒体資料
6-9. コネクテッドTV (CTV)
コネクテッドTV(CTV)は、インターネットに接続されたテレビで動画コンテンツを視聴する環境を指します。スマートテレビやストリーミングデバイスを通じて、動画配信サービスやアプリをテレビ画面で視聴するケースが増えており、近年注目されている動画広告の配信媒体です。
CTV広告は、動画配信サービスの視聴中にテレビ画面へ表示される動画広告で、テレビCMのような大画面での訴求が可能です。家庭での視聴が多いため、幅広い年代への認知拡大を目的とした広告配信に向いています。また、インターネット広告の仕組みを利用して、ターゲティング配信ができる点も特徴です。
7. 【業界別】動画広告の活用シーン
動画広告は、商品の魅力やサービス内容を視覚的に伝えられるため、さまざまな業界でマーケティング手法として活用されています。テキストや画像だけでは伝わりにくい情報も、動画であれば短時間で理解してもらいやすく、ユーザーの興味関心を高めやすい点が特徴です。
ここでは、動画広告の活用例として、不動産業界とタクシー広告のケースを紹介します。
7-1. 不動産業界×動画広告
不動産業界では、物件の魅力を伝える手段として動画広告の活用が広がっています。住宅やマンション、オフィス物件などは、写真や間取り図だけでは実際の雰囲気が伝わりにくい場合がありますが、動画を使うことでより具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。
たとえば、室内の様子を歩きながら撮影した動画を制作すれば、部屋の広さや動線、日当たりの状態などを視覚的に伝えることができます。また、周辺環境や駅からのアクセス、近隣施設なども動画に含めることで、物件の魅力を総合的に訴求できます。
さらに、YouTubeなどの動画プラットフォームで動画広告として配信を行うことで、今すぐ物件を探している顕在層だけでなく、将来的に購入や引越しを検討する可能性がある潜在層にもアプローチが可能です。
7-2. タクシー動画広告(デジタルサイネージ)
タクシー車内に設置されたデジタルサイネージを利用した動画広告は、近年注目されている広告手法の1つです。移動中の乗客に向けて動画を配信できるため、他の広告媒体では接触しにくいユーザー層へアプローチできる可能性があります。
タクシーの利用者には、企業の経営者やビジネスパーソンなど多忙な層も多く、テレビCMやインターネット広告をあまり視聴していないユーザーに情報を届けられる点が特徴です。また、タクシーの平均乗車時間は十数分程度と比較的長く、広告をゆっくり視聴してもらえます。
さらに、タクシー車内のタブレット端末では、乗客の属性に応じて広告を出し分ける仕組みが導入されているケースもあります。年齢や性別、時間帯、エリアなどをもとに広告配信を調整することで、ターゲットに合わせた効率的な広告配信が可能です。
8. 効果を高める動画広告の作り方
動画広告を試してみようと思っても、まずは何から始めるべきか、どういった点に注意して作るべきかなど、お悩みの方も多いのではないでしょうか。動画広告は比較的新しい広告であるため、社内でのナレッジが少ない企業もあるかもしれません。
ここでは動画広告の作り方について、ステップを分けて解説します。
8-1. 配信目的を明確にする
動画広告は他の広告同様に、目的を明確にしてから配信することが重要です。
「自社ブランドを新しいユーザーに認知してもらいたい」「繁忙期に向けてキャンペーンの仕込みをしたい」など明確な目的を持つことで、ターゲットや配信する内容を固めやすくなります。逆に目的が明確になっていないと、「動画広告を配信してみたものの結果に繋がらない…」といったことになりかねません。
配信目的を決めたら、社内のチーム内でもしっかりと共有しておきましょう。
8-2. ターゲットを設定する
目的を明確にしたら、次に具体的なターゲットを設定しましょう。
もちろん通常の広告でもターゲットの設定は重要ですが、動画広告の場合はより明確にイメージしておく必要があります。なぜなら、テキスト広告や画像広告よりも、動画広告の方がクリエイティブの要素が多いためです。ユーザーのニーズに合った配信タイミングや、動画の閲覧環境を考慮しましょう。
良い成果を出すためには、一貫したトーンのクリエイティブを作ることが重要です。
8-3. 配信する媒体・広告の種類を決める
先述の通り、媒体ごとによく利用しているユーザーは大きく異なります。ターゲットをよく検討した上で配信する媒体の選定をする必要があります。
もし自社サービスのコアユーザーへインタビューができるのであれば、実際にどのような媒体を見ているのかなどの声を聞いて反映するのも良いでしょう。
また、媒体ごとに動画を配信できる広告メニューや課金形式が複数あるため、媒体を選定した後はメニューを選びます。メニューによってスキップできる広告なのか、広告の尺は何秒までなのかなど変わってくる場合があるので注意が必要です。
8-4. 伝えたいメッセージを決める
動画広告は多くの情報を詰め込める反面、明確なメッセージがないとユーザーの興味を引けずに離脱してしまう可能性があります。
例えば以下のようなメッセージが考えられます。
- 価格が安くお得に買える
- 期間限定のキャンペーンがある
- 製品の効果や性能が高い
- 登録などが簡単にできる
最終的なゴールは購入に繋げることだとしても、そこに至るために最も良いメッセージが何かを考え、複数の広告案を作成してみると良いでしょう。
8-5. 構成・ストーリーを作成する
次は動画の構成・ストーリーを作成します。構成を考える際には「ユーザーへメリットを伝えること」「最終的な目標のアクションを促すこと」の2点を意識しましょう。
これをもとに考えると、例えば以下のような構成が考えられます。
- 「課題の提起」→「解決方法の提案」→「その他のPR」→「アクションの促進」
- 「ユーザーのメリット」→「より詳しい情報」→「アクションの促進」
どちらも共通して言えるのは、ユーザーにとって見るべき情報であると認識してもらった上で、ユーザーにとってのメリットを伝え、最終的にアクションを促進する流れとなっています。
8-6. 動画を制作する
ここまで決まれば、ついに動画の制作に移ります。配信先の媒体やメニューによってサイズが異なることや、媒体ごとに好まれる投稿が異なる点に注意して制作しましょう。
実際には配信した後にPDCAを行い、広告を修正したくなることもあるかもしれません。このような時に、当初の構成に必要な素材しか撮影していないと、再度素材を集めるだけで大きなリソースが必要になります。
そのため、PDCAのパターンを事前に検討しておき、素材制作のタイミングで多く撮影しておいたり、動画の元ファイルを編集しやすい状態に保持しておくことをおすすめします。
9. 動画広告の効果を測定する指標
動画広告で成果をあげていくには、効果検証と改善を繰り返すことが重要です。
例えば、開始3秒で離脱してしまう広告であれば、その後のメッセージがどんなに優れていたとしても成果が上がりません。そのため、視聴継続率やその後のステップへの転換率などを見ながら改善を行っていく必要があります。
この章では、動画広告の効果を測定する際に活用しやすい指標について、目的別に取り上げます。
動画広告の成果を最大化するには、適切な指標を用いて広告効果を測定し、改善につなげることが重要です。広告効果測定の基本については、以下の記事で詳しく紹介しています。
9-1. 認知度の向上
認知度の向上を目指す際には、下記の指標を見ると良いでしょう。
- 表示回数
- 再生回数
- 視聴者数
- 新規UU
- 新規接触率
- 広告想起率
認知度を上げるためには、まず多くの人へ広告が表示されている必要があります。そのため表示回数と再生回数を見る必要があります。
また、表示回数と再生回数だけでは同じユーザーへ多く配信されていてリーチが伸びていない場合があるので、視聴者数と新規UU数を見ることも必要です。すでに認知されているユーザー以外へリーチしていることを確認するためには、新規接触率を確認するのが良いでしょう。
最終的に認知度が上がったのか、それとも広告のインパクトだけが残っているのかは、広告想起率で評価します。ユーザーが自社の商品を一番に想起するようになれば、ブランディングにおける成功ともいえるでしょう。
9-2. 購入意欲の向上
購入意欲の向上を目指す際には、下記の指標を見る必要があります。
- 完全視聴率
- 再生時間
ユーザーへの態度変容を促すには、メッセージをしっかりと伝える必要があります。そのため、動画広告をどれだけ興味を持って視聴しているかを測る「完全視聴率」「再生時間」は意識すべき指標と言えるでしょう。
また、どれだけ興味深く視聴しているかの指標になるので、ブランディング目的でも同様の指標に着目して評価をすることをおすすめします。
9-3. 成約に繋がるユーザー行動
動画視聴が成約に繋がるユーザー行動を促せているかどうかを検証する際には、下記の指標を見ます。
- クリック数
- コンバージョン数
もちろん離脱率の高い動画広告ではクリックするユーザーも少なくなってしまうため、継続視聴時間なども併せて確認する必要があります。その上で、「実際に求めているユーザー行動が増減しているか」を見て、改善を行っていくことが非常に重要です。
10. まとめ
本記事では動画広告の基礎からメリット、主な媒体と作成方法について解説しました。動画広告は、ストーリーに沿って視覚的に訴えることができるので、視聴者の印象に残りやすく、ブランディング施策として有効です。
それにもかかわらず、ブランディング施策の必要性を社内に理解してもらえず「動画広告は売り上げに結びつかないから、予算を割かなくても良いのでは…」と言われたことがある方もいるかもしれません。
ブランディング施策は、実際のコンバージョンに結びついているのかなど、売上に直結する数値が見えづらいことから、実施が難しいと判断されるケースも多くあります。しかし、正しく目的を策定し効果検証を行ってPDCAを回すことで、事業成長に繋げることができます。
むしろ、事業の成長戦略を練る上では、ブランディングの視点は欠かせないものです。なぜなら、顧客が商品を購入する際には何らかの理由や印象付けが必要であり、企業・商品に対して良いイメージを抱いてもらうことが重要だからです。自社の商品が顧客に「真っ先に想起される」ようになれば、ブランディング戦略において非常に優位に立てるといえるでしょう。
ブランディングの効果測定やPDCAを回すための方法については、以下の資料にまとめているのでご参考にしていただければ幸いです。
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