SaaS企業必見!LTVとCACを理解してユニットエコノミクスを算出しよう

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SaaS企業やサブスクリプション型ビジネスにおいて、事業の健全性を測るための重要な指標とされているユニットエコノミクス。LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)から計算される指標ですが、その計算方法や活用方法をご存じでしょうか。

  • 「LTVとCACの関係性がよくわからない…」
  • 「ユニットエコノミクスはなぜ3以上にするべきなの?」
  • 「ユニットエコノミクスを改善するにはどうすればいいんだろう」

このような疑問をお持ちの方のために、この記事ではユニットエコノミクスの計算方法と改善するための具体的な方法について説明いたします。

ユニットエコノミクスを正しく把握して改善していくことは、ビジネスを拡大させるために重要です。しかし、ユニットエコノミクスを算出するにはマーケティングデータとセールスデータを一気通貫で計測して把握する必要があり、つまずきやすいポイントとなっています。

国内導入実績No.1(※)の広告効果測定ツール「アドエビス」では、マーケティングデータを正確に計測できるだけでなく、計測したデータをCRMなどの外部システムに出力することが可能です。

※ 日本マーケティングリサーチ機構調べ 調査概要:2021年6月期_指定領域における競合調査

1. LTV(顧客生涯価値)とは?

LTVとはLife Time Valueの略語で、1人あるいは1社の顧客が、特定の企業やブランドと取引を開始してから終了するまでの期間内にどれだけの利益をもたらすかを測る指標です。

例えば、ある顧客が1年目に1万円、2年目に5万円、3年目に3万円分のサービスを購入して解約した場合、その顧客のLTVは9万円となります。

一顧客あたりのLTV(利益)

LTVを活用してマーケティングを行うことで、短期的な売上や販売数だけではなく、長期的な視野でビジネスを成長させることができるようになります。

実際には顧客ごとに算出するのではなく、流入チャネルごとや集客の訴求軸ごとに算出します。算出したLTVは、注力すべきマーケティング施策の判断や、商品の訴求ポイントの精査に活用できるほか、施策のKPIとして設定することもできます。

LTVを把握することで、目標の利益に対して後述するCAC(顧客獲得コスト)をいくら以内に収める必要があるのかがわかるようになります。

▼ LTV向上施策を詳しく知りたい方はこちらもチェック! ▼
LTV向上を実現するための施策10選!計算方法もわかりやすく解説

1-1. LTVの計算方法

ビジネスモデルによって様々な計算方法がありますが、一般的なSaaS企業・サブスクリプション型ビジネスの場合は下記の計算式でLTVを算出します。

LTV=顧客の平均単価×粗利率(%)÷解約率(%)

具体例で考えてみましょう。

月額1,000円で粗利率が50%、解約率(チャーンレート)が2%のサービスがあったとします。
この場合、以下の計算で求められるようにLTVは25,000円です。

1,000円 × 50% ÷ 2% = 25,000円

解約率は、月間の解約顧客数 ÷ 月間の総顧客数 で求めることができます。

2. CAC(顧客獲得コスト)とは?

CAC(Customer Acquisition Cost)とは、新規の顧客1人(1社)を獲得する時にかかるコストのことを指します。

似た概念として広告効果を計測するCPA(Cost per Acquisition / コンバージョン単価)がありますが、CACには広告費以外のコストも含まれる点に違いがあります。どこまでをコストとして扱うかは企業によっても異なりますが、SEOのコンテンツ制作費やメディア運営費などのマーケティング費用、営業などの人件費のほか、外注費用、オフィス賃料なども含まれることがあります。

CAC(顧客獲得コスト)

CACには大きく分けて下記の3種類があります。

  • Paid CAC:Web広告など、有料チャネルでの新規顧客獲得コスト
  • Organic CAC:自然検索からの流入や口コミなど、有料チャネルを用いずに自然に増加した顧客の獲得コスト
  • Blended CAC:Organic CACとPaid CACを合算した、事業全体の新規顧客獲得コスト

特記事項がなくCACと使われる場合、「全ての新規顧客/全ての新規顧客にかける投資金額」であるBlended CACのことを指すのが一般的です。

2-1. CACの計算方法

CACの計算方法は、次の通りです。

CAC=(マーケティングコスト+営業コスト)÷獲得した顧客数

例えば、ある月に広告費を100万円と営業コスト50万円かけて顧客を15人獲得した場合、CACは下記の式の通り10万円となります。

(1,000,000円 + 500,000円)÷ 15人 = 100,000円

3. ユニットエコノミクスとは?

ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりどれくらいの採算性があるかを測る指標です。この数字が高いほど採算性が高い事業と言えます。

逆にユニットエコノミクスが低い場合は、顧客を獲得しても十分に利益を確保できない可能性があります。

そのような特性からユニットエコノミクスは、主にSaaS企業・サブスクリプション型ビジネスで事業の健全性を測る重要な経営指標として活用されています。

3-1. ユニットエコノミクスの計算方法

ユニットエコノミクスの計算方法は次の通りです。

ユニットエコノミクス=LTV(顧客生涯価値)÷CAC(顧客獲得コスト)

例えば、LTVが10万円、CACが10万円の場合のユニットエコノミクスは、下記の式の通り「1」となります。

ユニットエコノミクス = 100,000円 ÷ 100,000円 = 1

上記の例の場合では、10万円のコストで1人の顧客を獲得し、その顧客から10万円の粗利が発生している状況です。このままではビジネスを拡大しても利益が発生しないことがわかるかと思います。

このようにユニットエコノミクスを算出することで、どこまでビジネスを拡大すれば成長できるのかの判断ができるようになります。

3-2. LTVとCACとの関係性

ユニットエコノミクス(LTV ÷ CAC)が1を下回っている場合、顧客1人を獲得するのにかかったコストの方が顧客から生まれる利益よりも大きい状態であり、赤字となります。

1を超えている場合は黒字ですが、一般的にはユニットエコノミクスは3以上が健全とされています。この理由は次の章で説明いたします。

また、3を超えていたとしてもユニットエコノミクスが高すぎる場合は、新規顧客へのリーチができておらず、ロイヤル顧客が多くを占めていることが考えられます。

そういった場合には、新規顧客獲得に重点を置いたマーケティングを拡大することで、ビジネスをより早く成長させられる可能性があります。

4. SaaS企業のユニットエコノミクスはなぜ3以上とされているのか

先述の通り、一般的にユニットエコノミクスは3以上が好ましいとされています。

このように言われているのは、SaaS企業・サブスクリプション型ビジネスで重要とされている、次の2つの要素を満たすと、ユニットエコノミクスが3以上になるためです。

  • CACの回収期間(Payback Period)が12ヶ月以内である
  • 解約率(チャーンレート)が3%以内である

分析の際にはユニットエコノミクスと合わせて、CAC・解約率単体で見て問題ないかも確認すると良いでしょう。

5. ユニットエコノミクス(LTV÷CAC比率)を上げる方法

ユニットエコノミクスを上げて健全な数値を保つためには、LTVを高めるかCACを下げる必要があります。

ここでは具体的な方法や注意すべきポイントをご紹介いたします。

5-1. 購買単価・解約率を改善してLTVを高める

計算方法を見てもわかるように、LTVの改善には解約率(チャーンレート)を下げるか、購買単価を上げる、もしくは粗利率を改善する必要があります。

状況によって優先する内容は変わりますが、全てのバランスが整っていないとビジネスの安定性が欠けてしまうため、単一の指標だけではなく、全体的に改善していくことが重要です。

解約率(チャーンレート)を下げる

解約率が高い状態では、新規顧客を獲得しても粗利があまり上がらずLTVが低くなるため、ユニットエコノミクスも低くなってしまいます。

そのため、解約率を改善することでLTV、ひいてはユニットエコノミクスの改善が図れます。

単純にサービスの購買単価を上げてしまうと解約リスクも上昇するため、まずは解約率の改善から検討するのが良いでしょう。

解約率が高いのは、顧客のニーズを十分に満たせていないことが原因と考えられます。そのため、アンケートでの顧客満足度の調査や、解約理由のヒアリングを行うなどして、顧客への理解を深めることが有効です。

それにより、顧客の要望の多い機能など、サービスの改善につながるヒントを得られることも多くあります。アンケートは解約率の改善だけでなく、クロスセルできる新プランのアイデアなどにもつながりやすいため、ぜひ活用してみることをおすすめします。

製品・サービスの購買単価を上げる

製品・サービスの購買単価を上げることでもLTVを向上させることができます。

例えば、別サービスやオプションへのクロスセル施策より高額のプランへのアップセル施策が挙げられます。また、サービス内容はそのままに購買単価を値上げすることも考えられます。

具体的には、1つの契約で利用できるアカウント数の上限を増やしたり、利用できる月のデータ量に差分を作ったりして、高額なプランを用意するのも一つの手です。

また、サービス内に複数の機能がある場合は、利用できる機能の種類によって金額を変えるという方法もあります。

単純な値上げは解約率を上昇させるきっかけになりやすいため、どの程度解約が増えるかを考慮した上で検討するのが良いでしょう。

5-2. コストを最適化してCACを下げる

営業やマーケティングのコストを最適化し、CACを下げることもユニットエコノミクスの上昇につながります。次の章から自然検索流入と広告に分けて、具体的な方法を説明いたします。

CACを下げる方法は基本的に

  • 流入数を増やす
  • 転換率を向上させる
  • コストを下げる

の3パターンになりますが、広告費用以外もコストに含まれるため、全体のワークフローの見直しが必要になる場合もあります。

自然検索流入を増やす

検索エンジンからの自然検索による流入が増加すると、それに比例して新規顧客の増加も見込めます。

そのために最も重要なのはSEO(検索エンジン最適化)です。また、SNSを活用して多くの人の目に触れるようにすることも有効な手段といえます。投稿を増やしたり、プロフィール文を精査したりして、認知度向上を目指しましょう。

広告費はかかりませんが、SEO対策のコンテンツ作成費やUGC(User Generated Contents / ユーザー生成コンテンツ)を伸ばすための運用コストが発生することは、念頭に置いておきましょう。

自然検索流入が安定的に見込めるようになると、追加のコストがかからず集客が行えます。ただし、広告とは違い即効性のある施策は少ないため、状況にあった施策を検討してみてください。

広告の費用対効果を上げる

広告の費用対効果を上げることも、CACを下げ、ユニットエコノミクスを上昇させることに直結します。

SaaS、サブスクリプション型などのBtoBビジネスの場合は、商談や契約などの実際の顧客とのコミュニケーションが発生するため、広告媒体でのコンバージョンだけでは完結しないことが多いでしょう。そのため、広告媒体のアトリビューションや、その後の商談化率・成約率・売上金額まで含めて、費用対効果を分析する必要があります。

広告はオーガニック流入とは違い、ある程度自分で配信量を決められます。各広告媒体の成果を正しく把握し、費用対効果の高い広告媒体に注力することができれば、ビジネスを大きく成長させることができるでしょう。

6. アドエビスならマーケティングの課題を解決できる!

ユニットエコノミクスを把握し改善することで、ビジネスの成長につながります。そして、単一のデータではなく最終的なセールスデータまでを含めて計算することで、より良いマーケティング施策を打つことができます。

このように分析することは各広告媒体の分析機能のみではなかなか難しいですが、アドエビスを導入することで一気通貫で分析することができるようになります。

売上シェアNo.1(※)の広告効果測定ツール「アドエビス」では

  • Cookie規制にも対応した高精度なデータを計測
  • MA・CRM・SFAなどの外部サービスとも柔軟に連携
  • 流入施策別の商談化率・成約率・売上金額を把握
  • コンテンツのコンバージョン貢献度(間接効果など)をレポーティング
  • 1クリックでユーザーのコンバージョン導線を分析

などを行えるため、施策全体を見通してユニットエコノミクスを改善させることに役立ちます。

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