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トランスコスモス株式会社

Web売上137%成長を実現した計測基盤改革 ― トランスコスモスの「専門チーム連携体制」による迅速なデータ活用と広告運用

トランスコスモス株式会社様

トランスコスモス株式会社様

  • 広告代理店・コンサルティング
  • データ計測精度の改善
  • CV改善
  • 予算改善
  • 外部ツールとの連携/紐づけ
  • BtoB

トランスコスモスについて

トランスコスモスは、1966年の創業以来、優れた「人」と最新の「技術力」を融合し、より価値の高いサービスを提供することで、お客様企業の競争力強化に努めて参りました。
現在では、お客様企業のビジネスプロセスをコスト最適化と売上拡大の両面から支援する各種サービス(コンタクトセンター、BPO、EC、デジタルマーケティング)をアジアを中心とする世界各国で提供しています。

トランスコスモスサイトキャプチャ

貴社のクライアントであるクラブツーリズム株式会社様の事業内容と、当時のマーケティングや広告効果測定において課題に感じていらっしゃった点を教えてください。

KNT-CTホールディングス傘下の主要事業会社であるクラブツーリズム株式会社様は、「仲間が広がる、旅が深まる」をコンセプトに、専門性の高い「テーマのある旅」を提供されています。主力商品は海外旅行をはじめとした高単価な企画旅行で、ユーザーの検討期間が平均1ヶ月程度と長期にわたる傾向がありました。そのため、Cookie規制の影響を受けやすいという商材特性を抱えていました。

導入以前は、旧ツールを利用する中で、主に次の3つの課題に直面していました。

1. Cookie規制対策の不足
SafariのITP(※)をはじめとするCookie規制への対策が十分とは言えず、検討期間が長い旅行商材においてCookieの分断が発生していました。その結果、正確な広告効果の計測が困難となり、当時、流入元が不明なキャンペーンが全体の約30%を占める状況でした。

2. ラストクリック評価への依存
ユーザーの検討期間が長期に及ぶと複数の広告施策に接触するため、ラストクリックだけでは各広告の効果を正しく評価できませんでした。その結果、獲得施策への投資が偏り、コンバージョンが伸びないのではないかと懸念していました。

3. クロスデバイス・クロスブラウザ計測の欠如
SNS施策を含む複数の接点を持つ中で、デバイスやブラウザをまたいだユーザー行動の把握ができず、接触経路全体を踏まえた評価が行えない点も課題となっていました。

これらの課題を解決し、継続的な施策改善を進めるためには、データ計測環境そのものを根本から見直す必要があると判断しました。
※ ITP:Safariブラウザに搭載されたユーザーのプライバシー保護機能。サイトをまたいだユーザー行動の追跡を制限する仕組み。

計測環境の再構築を検討する中で、アドエビスを選ばれた理由を教えてください。

計測環境の再構築にあたり、GA4をはじめとする複数のツールを比較検討しました。その中で、検討期間が長く、高額な旅行商品を扱うクラブツーリズム様の商材特性を踏まえると、最適なソリューションはアドエビスであると判断しました。

特に、導入の決め手となったポイントは大きく3つあります。

1つ目は、長期検討期間に対応できる計測精度の高さです。
アドエビスのITP対応プログラムにより、 ユーザーの行動を追跡できる期間が、GA4では最大7日間なのに対し、 アドエビスでは最大366日間まで計測できる点を評価しました。これにより、検討期間が長い旅行商材においてもデータ欠損を根本的に防ぎ、すべての施策を正確にトラッキングできると考えました。

ITP対応プログラム設定前後の変化
ITP対応プログラム設定前後の変化

2つ目は、「AI推定クロスデバイス分析機能」です。
Cookieの分断によって欠損するデータの一部を機械学習で補完し、ユーザーの行動経路を類推できる点に魅力を感じました。特に、SNS広告運用において課題となっていたクロスブラウザ・クロスデバイスの評価において、有効な解決策になると判断しました。

AI推定クロスデバイス機能利用前後の変化
AI推定クロスデバイス機能利用前後の変化

3つ目は、計測基盤としての最適性と高い拡張性です。
アドエビスはWeb広告のモニタリング・分析に特化し、コンバージョンを起点とした分析がしやすい点に加え、基幹システムや分析環境と柔軟にデータ連携できる点も評価しました。これにより、将来的なデータ活用や他システムとの連携においても高い拡張性を確保できると考えました。

そのほか、「媒体シンク機能」によって計測パラメータ設計が自動化されている点も、重要な決め手の一つでした。クラブツーリズム様では扱うデータ量が非常に多いため、手動で細かな設定を行う必要がないことは、運用・分析における工数削減につながっています。さらに、ツールの操作サポートにとどまらず、「こういうことがやりたい」といった要望に対しても相談に乗り、一緒に検討しながら実現に向けて支援してもらえるサポート体制も魅力に感じています。
※ 媒体シンクとは:広告媒体の表示回数・広告コストを日次で自動取得し、計測パラメータの自動付与にも対応する機能です。

広告成果をより多角的に把握するため、基幹システムデータとアドエビスを連携されていますが、その分析環境を短期間で構築できた体制や背景を教えてください。

当社独自の部門横断による体制と、アドエビスのAPI活用によって実現しました。クラブツーリズム様のプロジェクトでは、デジタルプロモーション部門とデジタルインテグレーション部門をはじめとする複数の専門チームが連携し、広告運用・計測設計・システム連携を一体で推進しています。この体制こそが、トランスコスモスの強みであり、今回のような高度なデータ連携をスピーディーに実現できた背景にある、重要なポイントの一つと考えています。

アドエビスのAPIを活用した基幹データ連携の全体像について教えてください。

構築したのは、単なるWeb広告計測にとどまらず、Web上の流入データとお客様の基幹データが結びついた分析基盤です。具体的には、アドエビスのタグを通じてコンバージョン時に旅行購入受付番号などの突合キーを取得し、広告接触といったWeb上の流入データと、基幹システムに保有されている売上金額やコース情報、顧客属性などのデータを紐づける実装を進めました。
これにより、広告の投資効果をコンバージョン数だけでなく、最終的な売上ベースで評価できる仕組みを確立しています。

計測基盤の全体像
計測基盤の全体像

難易度の高い大規模な基盤構築を、実質1〜2ヶ月程度で完了できた理由は何でしょうか。

本来、基幹データとの突合は、関係部署も多く、技術的な調整や事前の合意形成が必要となるため、一般的には時間を要するケースが少なくありません。
今回のプロジェクトでは、こうした難易度の高い工程を、各部門を横断した「専門チームの連携体制」で進めることで、大規模な計測基盤の移行から基幹データ連携までを、実質1〜2ヶ月程度という短期間で完了させています。メディアチームやデータマーケティングチームに加え、クライアント様のIT部門とも連携し、ITP対応プログラムの実装や基幹データとの紐づけに関する技術的なディレクションを、当社の専門の支援チームが担いました。技術的に難易度の高い調整を専門チームがリードすることで、基盤構築をスムーズかつ迅速に進めることができたと考えています。

アドエビス導入後、計測や施策評価の面でどのような変化がありましたか。

旧ツールでは、流入元が不明なキャンペーンが約30%を占めていましたが、アドエビス導入後はその割合が約10%まで減少しました。
ITP対策の強化や計測仕様の改善により、どの広告施策が成果に寄与しているのかを把握できる割合が大きく向上しています。

さらに、クロスデバイス効果が可視化された点も大きな変化の一つです。
AI推定クロスデバイス分析機能を適用したことで、これまで捉えきれていなかったデバイス・ブラウザをまたぐ広告接触が反映され、広告全体では従来の計測に比べてCV数が約6%増加しました。特に計測が難しかったSNS広告では、CV数が約27%増加しています。

AI推定クロスデバイス分析機能を適用によるCVの変化
AI推定クロスデバイス分析機能の適用によるCVの変化

このように、計測精度の向上によって、各施策をより実態に即して評価できる環境が整いました。

ラストクリック評価に依存していた状況から、どのように評価軸と予算配分を転換していったのでしょうか。

これまでのラストクリック評価から脱却するため、アドエビスの「再配分売上」と「再配分媒体効率(広告コスト÷再配分売上)」をサブ指標として活用しました。
再配分売上は、コンバージョンに至るまでに接触した広告へ売上を分配して評価する指標であり、再配分媒体効率は、再配分売上に対する広告コストの効率を示す指標です。
これらの指標を評価軸に加えることで、ラストクリック評価では過小評価されがちだったディスプレイ広告やP-MAXなどの認知施策、間接効果を持つ施策についても、売上への貢献度を踏まえた評価が可能になりました。

ラスト評価と再配分評価の比較表。ラスト評価では過小評価されていた媒体でも、再配分評価を用いることで売上やCVへの貢献が可視化される様子を示している。

その結果、Web全体で売上最大化につながる投資先を、データに基づいて判断できるようになりました。
運用面では、媒体やメニューごとに、ラストクリックの媒体効率と再配分媒体効率を使い分けています。直接的な媒体効率が低い場合でも、再配分媒体効率が目標水準を満たしていれば、配信を継続し、必要に応じて再投資する判断を行っています。
このように、再配分媒体効率について一定の基準を設けることで、クライアント様と同じ指標・同じ数値を共通言語として予算配分を検討できるようになり、提案から意思決定までのスピードも向上しました。また、データをもとに施策の撤退や継続の判断ができるようになりました。

その結果、どのような成果につながりましたか。

精緻な計測基盤が整ったことで、施策評価と予算配分の最適化をクラブツーリズム様と共に実行し、Web売上は前年同月比で137%成長しました。
また、「再配分媒体効率」を基準とした広告運用を行うことで、売上貢献度を踏まえた予算配分が可能となり、紙媒体からWeb媒体への予算配分が拡大し、新規広告媒体にも挑戦しやすくなりました。その結果、特定領域におけるWeb広告予算は前年同期比で1.5倍に拡大し、Web売上は過去最高水準まで伸長しています。

今回のクラブツーリズム様との取り組みを通じて、トランスコスモス様として改めて大切だと感じたことを教えてください。

インタビュー風景

私たちは、投資対効果を正しく捉え、適切な予算配分を行うことが最も重要だと考えています。そのためには、必要なデータを正確に把握し、最終的な成果に対してシビアに向き合う姿勢が欠かせません。
一方で、それを実現するためには、ツールや指標だけではなく、企業間・部門間の連携が不可欠です。データマーケティングはあくまでお客様のビジネス拡大を支える一つの手段であり、あらゆる顧客接点に対して最適化を図るという目的意識を持ったメンバーが、それぞれの役割を果たすことで初めて価値を発揮すると考えています。
トランスコスモスでは、広告運用にとどまらず、サイト構築・運用も含めた体制で、顧客接点全体を捉えた支援を行っています。広告施策とサイト施策をワンストップで支援できる点は、他社にはなかなかできない価値であり、アジア最大規模となる約3,000名の体制を基盤に、トップクラスの取り組みを実現しています。
今回のクラブツーリズム様の案件も、200人近くが関わっており、複数の部門が連携しながらCX改善に取り組んできた、その一例です。今後もマーケティングパートナーとして、お客様の成長に伴走していきたいと考えています。

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トランスコスモス株式会社

https://www.trans-cosmos.co.jp/

デジタルエージェンシー事業本部 DM部 DA課 課長 溝江 光 様

デジタルエージェンシー事業本部 DM部 DA課
課長 溝江 光 様

2012年3月トランスコスモス入社。GoogleAnalytics、アドエビスなどの各種解析ツールの導入設計から設定、分析業務に従事。これまでの担当業界は、不動産、EC、ゲーム、エンタメ、通信、流通小売、人材、金融、他、様々な業界のデータ計測設計・設定支援や分析業務に関わる。お客様・協力会社様・社内メンバーとの対話を重視し、チームでパフォーマンスを最大化することを強く意識しています。

デジタルエージェンシー事業本部 MP第二統括部 MP1部 2課 課長 児玉 奈央 様

デジタルエージェンシー事業本部 MP第二統括部 MP1部 2課
課長 児玉 奈央 様

2013年入社/デジタルマーケティング歴約12年。旅行・保険(共済)・通信・不動産・転職など多くの業界の広告プランニングを経て、現在はプロジェクトマネージャーとして従事。お客様と共に「ビジネスの本質」から一緒に考え目標達成だけでなく、成長が続くスキームを実現します。

デジタルエージェンシー事業本部 MP第二統括部 MP1部 1課 プランナー 黒澤 翔 様

デジタルエージェンシー事業本部 MP第二統括部 MP1部 1課
プランナー 黒澤 翔 様

2023年よりリスティング広告プランナーとして中途入社。旅行代理店を中心に、小売・エネルギー業界など幅広い業界でメディアプランニング。広告領域に留まらず、クライアントのビジネス課題解決に向けた伴走型支援を実施します。

デジタルエージェンシー事業本部 MP第二統括部 MP1部 2課 プランナー 湯口 里帆 様

デジタルエージェンシー事業本部 MP第二統括部 MP1部 2課
プランナー 湯口 里帆 様

2020年入社/デジタルマーケティング歴約6年。旅行・人材派遣・小売などの業界を担当し広告プランニングに従事。コミュニケーションを密に、お客様の課題に応じた最適な広告戦略をご提案します。

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