アドエビスを導入された当時、どのような課題を持たれていましたか?
田様:

サービススタートは約3年前。最初は広告予算を投下して認知を広げるために様々な施策を行ってきましたが、数年経つと投資対効果を意識しはじめてWeb広告のCPAを重視するようになりました。しかし、最終接触のCPA重視で広告運用をするとCV数は段階的に目減りしはじめ、効率的に取れるはずの指名系キーワードも取れなくなっていきました。
クラウドサーバーは他社製品と比較検討することが多く、ユーザーはCVに至るまでに複雑な経路を辿り、検討期間は長期間に及びます。しかし、アドエビス導入前は最終接触のCPAのみで評価することしかできず、CVに至るまでの初回接触・中間接触といった、広告の間接効果も含めたデータの見える化が大きな課題でした。
廣江様:
BtoB商材の場合、Web全体のCV数を増やすためには、ユーザーといかに初回接触・中間接触の段階で接点をもって、検討の土台に乗るかが、重要になります。その顧客接点となるリスティング広告の一般系キーワードやディスプレイ広告を抑制してしまうと、先々の指名系キーワードによるCV数が減少するリスクがあります。
アドエビス導入前はCPA重視の評価をしていたので、一般系キーワードやディスプレイ広告はCPAが高く見えてしまい、積極的に予算配分できない状況でした。
そこでALTUSの商材特性から、ユーザーは複数回の情報接触をした上でCVに至ると仮説を立て、まずはデータによる顧客理解のために広告効果測定ツールを導入。CVユーザーの傾向を把握し、広告のアトリビューション運用を実践することにしました。
なぜアドエビスを選んだのでしょうか?
廣江様:
広告のアトリビューション運用をする上で実際に使えるツールとなると、アドエビス以外にもGoogleアナリティクスやAdobe Analytics(アドビアナリティクス)など、ベンダー各社が様々なツールを提供しています。

その中でもアドエビスを選んだ理由は三つあります。第一にトラッキング対象期間が366日と長く、検討期間が長いBtoB商材に最適だからです。Googleアナリティクスだと、90日までしかデータが取れないという縛りがあります。しかし、アドエビスは366日データトラッキングできるため、中長期に検討するクラウド商材のCVユーザーを理解するのに有効だと考えました。
第二に、アドエビスは良心的なプラン設定なのでスモールスタートしやすい点です。他の広告効果測定ツールの場合、月額で数十万円かかる場合があります。BtoB企業様の投資対効果を高める上で、気軽にアトリビューションデータを見える化できるので魅力的です。
第三に、我々が今までアドエビスを活用するなかで有用性が確認できていますし、広告効果測定ツール市場で導入実績No.1※という安心感もあります。特に、BtoB向けSaaS企業においても導入実績No.1※のため、GMO様のようなクラウドベンダーの成果出しにも実用的と判断しました。
※日本マーケティングリサーチ機構調べ 調査概要:2021年6月期_指定領域における競合調査
アドエビス導入後、どのような分析をしましたか?
廣江様:
定量的な顧客理解のために、アドエビスで行った分析は大きく二つです。一つはCVに至るユーザーの広告接触回数の分析。もう一つが、広告の初回接触から最終接触までの潜伏期間の分析です。
この分析から、ユーザーはCVに至るまでに2回~10回の広告接触するのが半数を占めること。CVまでの潜伏期間は31日~1年が半数以上と中長期にわたることが、仮説ではなく事実として証明されました。

CVユーザーの傾向を踏まえて、最終接触のCPA重視ではなくCVにつながる初回接触・中間接触を増やす間接効果を重視した広告運用にシフトしました。

運用の指標は、初回接触・中間接触で貢献した間接CVと、最終接触の直接CVを踏まえた再配分CVを算出。媒体別の効率性を見極めるために、広告コスト÷再配分CVしたTCPAを指標として予算配分を行いました。

田様:
アドエビス導入後、アトリビューション運用をした結果、Web全体のCPAを50%改善した上で、CV数が最大化しました。
アドエビス導入前の課題は、「成約の初回接触・中間接触で、どの一般系キーワードや認知系媒体が貢献しているか?」が全く不明で、予算配分の最適化がしにくい状況でした。
アドエビス導入後、CPAベースだと非効率と判断していたメディアや一般系キーワードが、実は成約の初回接触/中間接触で貢献していることがわかり、TCPAが効率的だったことが見える化できましたね。例えばCVに至るユーザーは、一般系キーワード(例:Windowsサーバー)で初回接触、リマーケティングで中間接触、指名の最終接触するなど、CVまでの経路がデータで明らかになりました。

以前は社内の経営層や上長から「広告のCPAが高い」といった点で指摘がありましたが、広告の間接効果を見れるようになったことでデータの裏付けを行い、評価基準が変わるのを実感しました。
今後のマーケティングの展望について
廣江様:
BtoB企業様の売上/LTVの最大化に向けて、現状はオンラインデータ(例:広告)とオフラインデータ(例:受注、商談)が繋がっていないという課題があります。データが分断していることで、定量的に顧客理解がされずにマーケティング/営業部門の対立が発生しがちです。結果、広告施策が全体最適ではなく、個別最適に留まってしまうといった状況も起こります。
継続的に事業成長するには、オンラインとオフラインの顧客データを連携して、定量的に顧客理解を深めることが重要と考えています。そのために、SFA(セールスフォース・オートメーション)やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を活用して、アドエビスと連携していきたいと考えています。メディックスでは売上と広告を連携した実績があります。
メディックスが、BtoB企業様の事業成長に貢献し、BtoBマーケティング業界をリードしていけるように、今後も知見や成功事例を積み重ねていきたいと思います。
弊社がご提供するGMOクラウド ALTUS(アルタス)は、6,000 社以上の導入実績を誇るIaaS型クラウドサーバーです。ALTUSの場合、申し込みから成約までWebで完結するというサービスなので、CVの定義は「成約」になります。