Googleアナリティクスではなくアドエビスである理由
私たちは制作だけでなく、ブランディング領域のコンサルティングからトータルで関わらせていただいています。
例えばデザイン一つとっても、ただ単純にデザインの話だけをするのではなく、何が課題で、そのためにはどのようなソリューションが必要だという話をします。つまり定量的なデータはこうだから定性的なデザインはこういったアウトプットになりますといった話をクライアント様にご納得いただく必要があるのです。
さらに最近はD2Cブランドからのご相談が増えていますが、中には予算が限られているものの施策実行のスピードは求められるケースもあります。その場合は、基本的にクライアントは自走しなくてはなりません。そのため広告の効果測定はアドエビスを使って、「こうやって数字を見るんですよ」とお伝えをしています。
私たちはもともとEC畑なのでGoogleアナリティクスにも慣れています。しかし、クライアントがデータを閲覧するためにビュー設計や設定を様々なマーケティング業務をしながら、一から学ぶというのは時間もかかるので、冷静に考えるとGoogleアナリティクスを活用するのは、正直ハードです。
その点、アドエビスは非常にわかりやすいインターフェースと明確な指標があるので、誰でも簡単にデータをとることができ、比較・分析ができるメリットがあります。
それにコロナ禍の影響もあります。もともとEC周りの担当者は少ない上、他の事業から部署異動された人がアサインされるケースも多く、さらにコロナ禍で人材の流動性が少ないとなると、ECを始めたばかりの人たちでも分かりやすい管理画面やレポート画面が、より一層求められていると思います。
ブランドビジネスにはアドエビスが必要
私たちが行っているのはブランドビジネスの支援です。
ブランドビジネスはECのセオリーとは反する部分があります。ECは基本的にはいかに短時間でゴールまで到達できるか?といった視点で、直帰率を減らしてCVRをどれだけ上げるかといった点が重要ですが、ブランドビジネスはいかに顧客の興味を深めるかといったことが重要です。
つまり、いきなりゴールまで持っていくことはせず、顧客に興味を持ってもらいエンゲージメントを高めることが必要なのです。これはD2Cブランドの成長を考える上でも同様です。
ECサイトに訪れた顧客にだんだんと興味を深めてもらい、顧客が興味を失って離脱しないよう、なるべく長く滞在しブランドに共感、ファンになってもらうためのコンテンツ作りを行っていますが、これは非常に難しいことです。
この点を定量的に見ていこうとした時に、アドエビスが役に立ちます。単純にコンバージョンを測定するならGoogleアナリティクスでいいのですが、私たちは三次元のカスタマージャーニーを作り、アドエビスを活用することでブランディングを定量的に見るのです。
アドエビスを活用した三次元のカスタマージャーニーマップ
私たちは三次元でカスタマージャーニーマップを作って、顧客がどこで認知をして、どこでサイトに来て、どこで最終的に購入したのかといった点を見ていきます。
三次元のカスタマージャーニーマップとは、顧客のジャーニーを二次元で捉えるのではなく、興味の深度や感情を加味して三次元で見ていくものです。
例えば、Attention・Interest・Serch・Action・Shareという段階があった時、上から段々と母数が少なくなってコンバージョンやシェアにつながると思うのですが、実際はここに顧客の感情が関わってきます。
さらに、この図を上から見た時、縦軸にEMOTION(感情)、横軸にCX SCORE(顧客満足度)を置いて三次元にすることで、顧客の感情の動きを知ることができるのです。
皆さんがよく見るような一般的なカスタマージャーニーマップは、実は本質を突いていません。本来は、顧客がブランドを初めて知った一回目以降、興味がだんだんと深くなっていくはずなのです。
例えば顧客が感動的な体験をしたり、満足度が高かったりするのは、購入完了画面に出すアンケートでわかります。アンケート内のリンク先にアドエビスを設定しておいて、「このルートを辿った場合はハイエフォートな状態(顧客が能動的に情報収集している状態)だから、ここの位置」といったようにポインティングしていきます。
この時、購入してくれた人のデータや、購入商品、リピート数、購入期間など、アドエビスのデータが連携すると、「こういうコミュニケーションのこういう部分に、お客様は感動してくれているのだな」といったことが見えてきます。ブランディングは、こうした興味の深度全体を立体的に考えるということをしなくてはならないのですが、顧客のタッチポイントを一つ一つ分析しようとした時に、マーカーのような役割をアドエビスが担ってくれているので、カスタマージャーニーマップを作成する上で重宝しています。
このポインティングを繰り返すことで、最終的にはだいたい同じルートが見えてきます。顧客がどこで象徴的な体験(シンボリックエクスペリエンス)をしているかも見えてくるのです。そこから、購入後のフォローアップを変えたりして、もっと感動してもらうためにコミュニケーションを改善していきます。
それゆえ、私たちが考えるブランディングにはアドエビスが必要不可欠なのです。


これからのアドエビスに期待すること
コロナ禍の影響で、日本中の人たちが抱くデジタルに対する恐怖心は減ったと感じています。その時に「もっと使ってみたい」とか、「こうやったら使えそう」と思ってもらえるデザインはすごく大事です。
その点、アドエビスは最初に拝見したときから抵抗感が全然なく、とりあえず頑張って使ってみようと思える。その点はすごく時代にマッチしていると思います。
私は今後いろんな日本のブランドに世界で売れて欲しいと思っています。そういう未来が来た時、もし経営会議でアドエビスのデータを見ながら議論が行われていたら、日本全体のリテラシーの底上げになっているのではないでしょうか。そんな期待を抱いています。