ビルコム株式会社

広告代理店によるアトリビューション分析を用いたPDCAサイクルの手法~パスを出した広告とゴールを決めた広告の評価手法~

ビルコム株式会社様

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  • 広告代理店・コンサルティング
  • 予算改善
  • 認知施策・間接効果
  • BtoB

ビルコム株式会社様について

ビルコム株式会社様は、BtoC/BtoB、内資/外資、プロダクト/サービス問わず、デジタル・PRを軸とした統合型コミュニケーションを提供されていらっしゃいます。今回はアトリビューションを軸に、レポーティングを行い、PDCAサイクルノウハウを赤裸々にお話いただきました。

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アトリビューション分析を実施した背景

ビルコム様では、何故アトリビューション分析を行い始めたのでしょうか?

インタビュー風景

何故かと言うと、ビルコムには「お客様はパートナーである」という考え方があり、お客様の目的に立ってコンサルティングをしています。他の広告代理店があまり積極的に行わないアトリビューション分析も、お客様にとって必要だと判断をすれば、すぐに取り入れる企業文化があります。
また、広告を提案時、1媒体のみを提案するはずはなく、複数媒体の提案を行いますし、時にはビルコムではコンテンツマーケティングなどの制作やPRも含めた様々な提案を総合的に行います。
刈り取り型の広告だけでは、結果がシュリンクしてしまうのはご存じの通りですから、潜在顧客層向けの媒体が、どのように刈り取り型広告の媒体に絡んで結果を生み出しているのかを把握する「アトリビューション分析」は必須だと考えています。

他の広告代理店が積極的に行わない領域とのことですが、何故行わないと思いますか?

実際、単体での評価レポートよりも、一手間かかりますから、大変であることは間違いありません。ビルコムでも1社あたり、2時間~3時間かけてレポートを作成していますから、今までその時間を確保されていなかったとすると、実施するには大きな障壁になるとは思います。もう一つあるとすると、今までの評価手法から違う評価手法に変化させることは、今までの評価を否定することにも繋がるという考え方もありますから、勇気がいる行為であることも事実だと思います。

結果が悪いレポートの時もあるのではないですか?

インタビュー風景

ビルコムでは、通常の単体評価レポートとアトリビューション分析レポートを両方お出しして、見比べていただいていますので、正直、単体評価レポートの評価の方が良い結果が出ることもありますよ。アトリビューション分析では、複数の媒体を絡めて分析するわけですから、1つの悪い媒体に引っ張られて全体が悪くなることもあります。けれども、それも事実ですから、「1つの悪い媒体があるから結果が悪くなっている」というポイントを発見して改善すれば良いわけです。
他にも、仮説から大幅に外れたとすると、何が仮説から外れた要因なのか、それはどこがトリガーなのか、内的要因なのかもしくは外的要因なのか、すべて多角的に分析して、要因をつぶして行くことが大事だと思っています。ですから、単体評価レポートの結果が悪くてもそれほど気にすることはありません(笑)

アトリビューション分析を用いて提案する際に重要なことってありますか?

そもそも広告プラン提案時の段階で、アトリビューション分析でPDCAサイクルを回していくことをご理解いただいていることが、とても重要だと思っています。提案時に、複数の媒体を絡めて評価することの重要性を理解していただいているからこそ、ビルコムではアトリビューション分析を用いてレポートにてご報告をさせていただきお客様に満足いただいています。
そのご理解が無い状態であれば、アトリビューション分析レポートは後出しになってしまうため、理解いただくことは難しいかもしれませんね。

実施されているアトリビューション分析の手法

では、実際に実施されているアトリビューション分析の手法について、教えていただけますでしょうか?

アトリビューション分析の5つのモデル(成果配分モデル)

アトリビューションモデルは「5つある」と言われていますが、該当商材、ターゲットに合わせてどのアトリビューションモデルに合うのか選定しています。
私がよく活用するモデルとしては、Position Based model(接点ベースモデル)か、Linear model(線形モデル)が多いですね。使い分けとしては、BtoCのときはLinear model(線形モデル)、BtoBの時はPosition Based model(接点ベースモデル)を利用する傾向がありますね。BtoCの商材、例えばアパレル商材の誰もが知っている商材で、金額も高くない商材だと、検討期間なく勢いで購入することも多いですよね?ですから、初回の接触の重みが大事とか、そのようなことではなく、Linear model(線形モデル)の均等割で行うことが多いです。
それとは変わってBtoBの場合だと、例えば商材がサーバーだった場合は、高額で頻繁に購入することもない商材ですよね?そうなると、1回目にクリックした広告って、かなり興味持ってクリックされたと考えることもできるわけです。そのあと2回目はたまたまリタゲで出会った、もしくはビュースルーで出会ったとなるため、1度目の広告の重みを変える等の割合を変化させるPosition Based model(接点ベースモデル)を用いるわけです。

アトリビューション分析を行う集計期間や頻度などはどのように実施されているのでしょうか?

集計イメージ

アトリビューション分析は、2回以上必ず実施し、予算アロケーションは必ず中央値を求めて判断を行います。1度では、数字に偏りが出てしまうことがありますから、複数回必ず行っています。2回実施した例はこの図です。このようにアトリビューション分析を行い、通常の単体評価であるCPA評価ではなく、TCPA(Total CPA)にて評価を行い、広告費の増額減額の判断※を行っていくわけです。
各々分析によって割り出した結果をもとに予算アロケーションは、中央値を算出して決定していきます。
※80%以上を増額と判断

集計イメージ

レポートのタイミングは、20日から25日あたりで仮分析を一回実施し、私が立てた仮説に対して、順調に進捗しているかを確認しています。ですから、この媒体をもっと強化して、これは弱めて、来月にはこの提案を行おうという大枠の内容は、月末には決まっていますね。それに先ほどご説明した予算のアロケーションを再度月末にやり直して、来月の提案を固めるというスケジュールですね。

アドエビスへ一言

赤裸々に沢山おしえていただき、ありがとうございました。最後にアドエビスに一言いただけますでしょうか?

これまでは、アドエビスは計測ツールとして第一線を走ってきておりました。これからビューアブルなどが主流になってきた際に間接効果に対する効果測定ができることが当たり前になってきますし、クライアントもそこを望んでくると思います。その際には、計測ツールの第一線であるアドエビスが老舗サービスとして、クライアントの商売繁盛につなげていただけるよう期待したいです。

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コンテンツ・AD部 コンサルタント 佐久間 隆行 様

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